(この記事は Fediverse Advent Calendar 2022 20日目のための記事です。)

みなさんこんにちは。ボカロ専用マストドンインスタンス『ボカロ丼』運営のTOMOKI++です。

12月と言うことで今年1年を振り返ってみたいと思います。

5周年を迎えたボカロ丼

ボカロ丼は2017年の4月16日にオープンし、今年の4月で5周年を迎えました。

ボカロ丼にはボカロPがたくさん登録しており、その人たちでこれまでコンピレーションアルバムを作ってきました。その中でも、春には毎年n周年を記念したコンピレーションアルバムを作ろう!という計画だったのですが、コロナの影響でボカロ関係のイベントが軒並みキャンセルされ、それに伴いアルバムの制作もここ数年は滞っていました。

しかし、今年はなんとか3年ぶりにリリースできました

5周年という節目ということもあり、今回ははプレスCDだけでなく、なんとアナログレコードのプレスも行いました。自分の楽曲がレコードから流れてくるなんて貴重な体験ですね。

ボカロ丼のサーバ代について

ところで、ボカロ丼はサーバ代のカンパ/寄付という形態は取っておらず、「公式コンピレーションアルバムの売上をサーバ代として賄う」という方針のもと運営されています。その公式コンピレーションアルバムのリリースが3年停滞していたわけですから、懐事情は推して知るべしといったところですよね。

具体的な話でいうと、ボカロ丼のサーバは毎月4万円ほど掛かっているのですが、この額は運営の手間を軽減するためにあえてシンプルな構成にしているためで、実際のところ2万5千円くらいが賞味のサーバ代と考えています。で、2万5千円/月掛かっているという計算だとして、2018年までの2年間はサーバ代の8割ほどをコンピCDの売上で賄っていました。しかしそれ以降はコロナ禍で2022年春まではほぼ売上ゼロの状態がつづきました。この春はなんとか新しいコンピをリリースしましたが、イベント参加は非常に限られており、またコロナ禍のイベントということで参加者数もそれほどではないというのもあり、累計ではコンピ売上はサーバ代の2割程度にまで落ち込んでしまったのが現状です。残りは全部僕の持ち出しです。

とは言え、今在庫のある公式コンピCDが全部売れれば元が取れるレベルではあるので、みなさんぜひ買ってください!

!!購入はこちら!!

なお、ボカロ丼のコンピにはサーバ代になる「公式コンピ」以外に、サーバ代にならない「公認コンピ」というのもあります。くわしくは ボカロ丼info https://info.vocalodon.net でご確認ください。また、こちらの とらのあな通販ページ にあるものはすべてサーバ代になる公式コンピになります。

イーロン・マスク氏によるTwitter買収の煽りを受けて、マストドンへの大量流入

イーロン・マスク氏の尽力のおかげで、マストドンに人がたくさんやってきました。これまでにもTwitterが何か問題を起こす度にマストドンへの流入がちょこちょこ増えてはいたのですが、今回は2017年の日本でのブームの時以来の最大規模の大移動だったのではないでしょうか。

ボカロ丼でも「実質200名」ほどの新規ユーザ登録がありました。ここで「実質」と言っているのは、数字上は11月8日以降で2,250名の登録ユーザがいるためです。

なぜボカロ丼に2,250名もの登録があったのか

一般論から言えば、ボカロ丼はターゲットを「ボカロ好き」に絞っているテーマ系サーバですので、他のサーバに比べてそれほど爆発的に人数が増えることは考えづらいです。しかし、いくつかの要因が重なってこれだけの人数の方々登録していただきました。

理由1:joinmastodonへの表示

ボカロ丼は以前より joinmastodon のインスタンスリストに登録されていました。しかしこれは通常は表示されていません。これはなぜかというと、スパム対策のためにサーバ設定上は「新規受付を停止」しており、その代わりにWebUIをカスタマイズして常に招待コード付きのリンクに行けるようにしている、というトリッキーな対応をしているためです。「WebUIの登録ページに行くと登録に進めるものの、API上は受付停止に見ている」という状態のため、通常は joinmastodon には表示されていません。しかし今回はあえて流入促進のために一時的に新規受付を再開していました。そのため joinmastodon のリストに表示されるようになりました。その結果、マストドン公式の推奨インスタンス(サーバ)となっているために登録者が増えたというわけです。

理由2:マストドン公式アプリの仕様

マストドンには公式アプリ(iOS/Android用)があります。このマストドン公式アプリのサーバ選択欄には前述の joinmastodon のリストが使われているようです。そしてなぜかボカロ丼はその一番上に表示されることが多いのです。そのためアプリを起動しサーバを選択しようとすると一番選びやすい位置にボカロ丼があります。そのため間違ってボカロ丼に入ってきた方が大量にいらっしゃいます。「そうは言ってもボカロ好きのためのサーバって書いてあるし、間違って入ってくるなんてことがそんなにあるの??」とお思いの方もいらっしゃると思いますが、仮に間違う人が数パーセントだったとしてもトータルでは2,000人くらいにはなる、というのが今回の流入規模だったのではないでしょうか?また、日本語の読めない海外の方も多かったので、サーバの説明を読めなかったという事情もあると思います。

理由3:やっぱりスパムが増えた

あと、新規受付を再開したことによって、やはり徐々にスパムが増えてきました。現在は様子を見ながらスパムに気づかれない間は公開し、スパムがやってきたらしばらく停止、ということを繰り返しています。

というわけで、数字の上では2,250名ですが、内訳は、正規ユーザ(ボカロ丼の趣旨をわかって登録した方)が1割、間違って入ってきた方が7割、スパムが2割と言ったところだと思います。なお、間違って入ってきた方にはそれぞれに説明を行い、他のサーバに移動していただいたり、いつの間にか消えられたり、放置されたりしていただいています。

それから、この流れの中でボカロ丼には広瀬香美さんが登録されましたが、彼女は間違って入った組ではなくボカロが好きということで選んで入られたとのことです(本人談)。

議論プラットフォーム作りました

あと、これはボカロ丼というよりはFediverse上の話題になりますが、2021年の夏頃にちょっと「ネット上の議論の場」について盛り上がったことがあり、そのアイデアを元に今年ためしに議論プラットフォームを作ってみました。Zoomでのお披露目会なども行いマストドンアカウントでログインできますので試してみてください。

GironHub: https://gironhub.jp/

現在はソース非公開のサービスですが、ゆくゆくはAGPL公開して複数のインスタンスが建てられたり、インスタンス同士で議論できたりできるようになるといいなと考えています。

今年の振り返りはこんなところです。もっといろいろあった気もしますが、長くなるのでこの辺で。

では良いお年を。